影について

夕日が、見慣れた杉山の背後に隠れた。杉の木々の間から夕日が見える。

夕日に照らされたことで、見慣れたはずの杉山のシルエットが変わって見える。もっと高い山かと思っていたが、そうでもなかった。夕日によって、地面の起伏がよく見える。木と地面の境界がはっきり確認できる。

木々の間に夕日が輝いているのが見える。自分の足元に目を移すと、足元やその近くに自分の影はない。不思議だなと思った。夕日の光に当たっているはずなのに、自分の影はない。遠くを見ると、山の影と日なたの境界があるのに気づく。自分は山の影の中に取り込まれているらしい。本当は影ができていて、ただ見えにくくなっているということなのだろうか。それとも本当に影はできていないのだろうか。よく分からない。

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