ミラーニューロンとは、イタリアのジャコモ・リゾラッティらが1996年に発見した、脳内にあって他者の運動を模倣する機構のことである。また、のちに脳科学者のラマチャンドランは、ミラーニューロンが他者の痛みも模倣する可能性について実験している。
他者の運動を模倣する とは
例えば、Aさんが物を投げたとき、Aさんの脳のある特定の部分が活性化する。一方Bさんがその様子を見ていたとき、同様にBさんの脳のある特定の部分が活性化するのである。つまり、Bさんは物を投げていないにもかかわらず、Aさんと同じように脳のある部分が活性化したのである。
他者の痛み(感覚)を模倣する とは
もう一つ。Aさんが手を叩かれたとき、Aさんは痛いと思う。一方Bさんがその様子を見ていた時、Bさんも痛いという感覚になる。しかし実際に痛いわけではなく、痛いと感じるだけである。では、このときAさんもBさんも同じ脳の領域が活性化しているにもかかわらず、Bさんが実際に痛みを感じないのはなぜだろうか。
痛みを感じないのは受容体から無効信号が出ているから
Bさんが実際の痛みを感じないのは、Bさんからミラーニューロンの効果を打ち消す信号が出ているからだという。私は手を叩かれていないという無効信号がBさんの手にある受容体から出されるので、Bさんは痛いという感覚にはなるものの、実際に痛くはならないのだという。
獲得性過共感
もしBさんに腕がない場合、あるいは腕に麻酔を打たれているとき、Aさんが手を叩かれたのを見ると、Bさんも実際にAさんが叩かれた部位に痛みを感じるという。これは、腕がない、麻酔が打たれていることによって無効信号が出ないためであるという。このように他者の痛みを共有する現象を、ラマチャンドランは獲得性過共感と名付けた。
考察
ミラーニューロンの存在によって、人間は他者に共感することができると考えられる。
参考文献
森田真生著(2018).『数学する身体』.新潮文庫.
コメント
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