朝、起きて外に出ると、太陽を浴びている山の斜面に生えた木々の中から「ほーほけきょ」という鳴き声が聞こえた。ウグイスがいるらしい。
昨日、一昨日まで寒い日が続いていたように思う。今もまだ寒いのだが、ウグイスの声をきいて、春が来たと感じた今朝である。
鳴き声がきこえた、まだ枝ばかりの木々の方をしばらく見ていた。鳴き声は断続的にきこえるのだが、姿は見えない。
以前、ウグイスは縄張り意識が強いと聞いた。そのため人間が口笛で「ほーほけきょ」となくと、縄張りから追い払おうと、ウグイスが口笛をふいた人間に向かって飛んでくることがあるようだ。そのことを思い出して、試しに「ほーほけきょ」と鳴いてみた。非常に弱弱しい口笛だった。しばらく待ったが、特に変化は起きなかった。こちらにウグイスが飛んでくるようなこともなく、先ほどの木々の方から「ほーほけきょ」が聞こえるだけであった。自分の鳴き声はウグイスにウグイスと認識されなかったのかもしれない。或いは、たいしたことのない、よわいウグイスだとでも思われているのかもしれない。まあ、いずれにしても構わない。まだ夜の頃はストーブやこたつを使っているような時期であるのに、ウグイスの声をきけただけで、いい気分だ。
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